2015年10月10日

映画「ショックプルーフ」と『インテリア』リチャード:ハミルトン

 
リチャード:ハミルトンの『インテリア』シリーズは、様々に

室内の光景を変化させて作品を展開させていたが、このアイディア

の源がダグラス:サーク監督の映画「ショックプルーフ」(1949)

であった。リチャード:ハミルトンが映画を観てとかではないらしい。

Richard-Hamiltons-Interio-001.jpg

映画の宣伝用に撮影した写真を見てハミルトンは反応した。

ハミルトンはニューカッスル大学の美術学部で教鞭をとっていた。

彼の担当は初年度学生向けの基礎デザインという、自分の思考、

方向性を学生たちが白紙から探っていく授業。ある年度の授業で

コラージュの実習をおこなった時、素材として映画関連のチラシ、

ビラ、ポスターなどを学生たちにいろんなところから集めさせたこと

があったらしい。

shockproof lobby card.jpg

その中に映画「ショックプルーフ」の宣伝写真が、ヒロインのパトリシア:

ナイトが、部屋の中で不可解な不穏性で立っている写真がハミルトンを

魅了した。不可解というのは、広角レンズで撮影されているため、室内の

遠近法に歪みが生じ、おびただしい部分照明が奇妙な陰影をもたらして、

ただごとではない。前景右のテーブルの開けられたままの引き出しが棺桶の

ごとく巨大に見え、その引き出しの線の先の中央へ視線を動かすと、床に横

たわった男の死体がある。ハミルトンのポイントは、テーブルの足によって男

の顔が額に飾られたように見えることだった。

写真にあった死体めいたものは、赤と緑のまだら模様として、床に平面化されて

置かれることになる。

キネマ旬報10月上旬号記事からの抜粋です。









posted by ドラ at 16:25| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: